2010年8月21日土曜日

十三夜---「嫉妬の貌」

己の顔が、
鏡に映る己の顔が、見るも無残に爛れ、

その顔に
影のように寄り添い 知りもしない女の顔が
あらはれ、

透き通るように白い 滑らかな肌に
まだ 何の穢れも知らぬ気の、黒き瞳を湛える女の顔が
あらはれ、

私は、
為す術もなく、鏡に映る、その
二つの顔から 眼を逸らすこともできず、

あぁ、

鏡には今夜も 二つの顔があらはれ、

あらはれ、