2010年9月10日金曜日

光り輝く波

トンネルの壁に寄りかかって、二人、眺めるでもなくあたりを眺める。

ここから眺めてると、海はまさに白銀だね。
うん、角度によったら、雪原にさえ見える。

耳を澄まさずとも、打ち寄せる波の音、潮の香りが、私たちを包み込んでいる。波は途切れることなく、ざざん、ざざんと打ち寄せ、潮の香りは近くに漁港があることを教えるかのように強く。

私、おばあちゃんになったらこの辺りに住もうかなぁ。
あぁ、それいいかもしれない。
なんかね、時間の流れ方、違うよね。
うん、違う。私たちの時間より、すべてがゆったりだ。

まるで、私の一時間がここでは半日くらいあるような。そのくらい、違いがあった。秒針に追われて生活している人間が、ここにやって来たら、きっと吃驚仰天するだろう。
人の声は全く聴こえない。
波の音、風の音、潮の香り、眩しい陽光。私たちを取り囲むのは、それだけ。