2010年9月8日水曜日

木陰

それは砂浜に続く石段で。地図もなく当てもなく二人で歩いていた。そして見つけた石段。

すごく大きいねぇ。
うん、自転車まで走れるようになってる。
ここに自転車で来る人もいるってことか。
そうなんだろうね。
でも、こんな石段の存在、この辺りの人しか知らないんだろうなぁ。
だろうね、うん。

最初は急勾配、それが下三分の一くらいから急に緩やかになる石段。私たちは落ちないようゆっくり降りていった。
そしてそれはそのまま、砂浜に続いている。

こういうさ、抜け道っていうか隠れ道みたいなの、好きだなぁ。
私も。
得した気分になるよね。
うんうん、分かる。

冬だというのに陽射しは強く。歩き続けてきた私たちはうっすら汗ばんでいた。砂浜から私たちはいつものように裸足になって。
まずはその石段にご挨拶。こんにちは、お邪魔します。二人してそう言ってちょっと笑った。石段には葉陰が、ゆらゆらと揺れていた。