さらに歩いてゆくと、森の中、みっしりと葉の茂る場所を見つける。
その葉たちはぐっしょりと濡れていた。濡れて輝いていた。
どこにも陽ざしなどないというのに、それでも彼らは輝いていた。
ここに、横になれる?
彼女と彼は、うんともいいやとも何も云わず、黙ってその中に入っていった。
横たわる彼らは、葉よりもずっと、しんしんと、輝いて見えた。
雨はまだ荒れ狂いこちらを刺すように降り続けている。
私の前髪からは、雨粒が滴り落ちる。
でもファインダーの向こうは、そう、輝いて、いた。
暗室に籠り、このネガをプリントしていて、なおさらに思う。
まるで発光しているようだ、と。
ぬめぬめと照り輝く葉々は、まるで爬虫類か何かの身体のようで。
私はプリントしながら、一瞬身震いする。
それでも何だろう、蠢く気配の中に横たわる彼らは、決して冒すことができないほどに、しんとして、まっさらだった。