2014年7月26日土曜日

野外写真展示イベントと空豆さんの舞踏


7月19日、天気が危ぶまれる中、予定されていた野外写真展示イベントが催された。
榎本祐典、塩田亮吾、高橋かつお、にのみやさをり、藤原裕之、横関一浩、山形幸雄、吉田穂積、原田美加子。
これらの写真家が集まり、芝の上に直接写真を並べるというもの。
そこに、舞踏家の竹内空豆さんが特別参加してくださった。

野外展示。写真の野外展示を始めたのは、参加者の中心、榎本くん、藤原くん、山形くんだ。
これまでに三度、すでに野外展示を経験した。
芝に直接並べる、しかも額縁も何もないところで。
だから、コピーで写真を拡大し、できるかぎり大きく引き伸ばして、
通りすがりの誰の眼にもとまるよう、工夫した。

そんな私たちの写真たちは、
めいめいがめいめいのテーマに沿って並べられた。

いつ雨が降り出すかわからない天気の中、空豆さんがやってきて、
順繰り並べられた写真を眺めてくださった。 丁寧に丁寧に。


そして、彼は衣装に着替えると、おもむろに大きな桜の樹の根元に寄り添った。
それが、彼の舞踏のはじまりだった。

しなやかな腕はゆるやかに弧を描き、時にやさしく、時にあらぶりながらうねり続ける。
彼のやわらかな肉体は、これでもかというほど撓り、勢いよくジャンプする。

と、その時、雨が降り出した。

彼は踊り続ける。
私たちは。それを見つめ続ける。


集まった写真家の殆どがおそらく、その時シャッターを切り続けていたに違いない。
それほどに、空豆さんの舞踏は鮮やかだった。
一瞬も、ひとつのしぐささえも、見逃したくない。
そんな思いが、私の中には渦巻いていた。

当日写真から何か感じたら、その何かのまま、踊ってください。
私は事前に、空豆さんにそうお願いした。

その言葉通り、彼は、どこまでも写真にやさしかった。真摯だった。
まるで愛人を見つめるが如くのまなざしでもって、
写真に接し、向き合い、踊ってくれた。

まるで祈りのような舞踏だった。

彼が舞踏を終えた頃には、雨は強さを増しており。
私たちは、イベントを終了した。

写真と舞踏とが、こんなふうにコラボレーションできるとは。想像以上のものがあった。

あいにくの天気で、観覧者はほとんどいなかったけれど。

いい体験になった。
写真家のみんな、そして空豆さん。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。

またいずれイベントやると思います。
その折に再会できることを信じて。

いつか、また。