2014年1月8日水曜日

やめてやる、と思う夜には / シリーズ michiko より

もうやめよう。もうやめてやる。こんなことになるくらいなら写真などやめてやる。
そういうふうに暴力的に思うことが、時々、ある。
写真なんざやめてやる。
思う傍から、私の心身は凍り付いていたりするのに。

それでも。
思わずにはいられないときというのはやっぱりあって。
だから、そういう夜は、必ずみっちゃんとの写真を見返す。
私の写真のはじめに、ずっと付き添っていてくれた絵描きの友人・みっちゃんとの写真。
彼女との時間はとても濃密だった。
ほんの数年という短い時間だったけれど、でも、きっとこれから先いつ振り返っても、
彼女との時間は濃密だった、と私は言うに違いない。

彼女が最初のモデルでなかったら。
今の私の写真はきっと、なかった。
彼女が最初のモデルでなかったら。
今の私の距離感はきっと、なかった。
そう思う。
そう思わせるほど、彼女の存在は大きかった。

もうやめよう。やめてしまおう。写真なんて。
そう思う程に、彼女が頭の中浮かんでくる。色濃く浮かんでくる。
私はそんなためにモデルになったんじゃないわよ、とあっさりばっさり言い切る彼女が
まるで目の前に立っているかのような気持になる。
彼女に、私がばしんと言い返せないかぎり、まだ、やめられない。
まだしばらく、ばしん、となんて言い返せそうにない。

大丈夫。
まだ、やめない。