私は結構ホルガというカメラが好きだ。
あのおばかなカメラが。
よくフィルムを巻き忘れ、あちゃ!という事態に陥るが、それもこのカメラの味のひとつになって、仕上がってみると結構納得いっちゃったりする。
計算しつくされて、隙間もないほど整えられたカメラよりも
隙間だらけ穴だらけの、ポンコツカメラが写し出す世界の方が
ずっと
余白に満ちていて、ほっとする。
余白というのは美だ。
私はそう思っている。
余白、余韻、そういったものがないと、私は窮屈さを覚える。どうにもこうにもお尻のあたりがむずむずしてきて落ち着かなくなる。
もちろん、むやみやたらに余白やら余韻やらを醸し出した作品は、それはナンセンスなのだけれども、あるべくしてある余白や余韻には、酔わずにはいられない。
ホルガ。
それは、隙間だらけ穴だらけの
余韻の世界。
そして私は、その世界がたまらなく、好きだという、こと。