2014年3月7日金曜日

どうってことのない、


どうってことのない風景が好きだ。
どうってことのない、どこにでもありそうな風景が。
どこにでもありそうなのに、そこにしかない。
それが唯一の風景、という、いとおしさが沸いてくる。

そんな風景は、ひとりで出会うのがいい。
心がどこまでも、ひとりでいるときが、いい。
もし隣に誰かが実際にいたとしても
心はひとり、飄々と風に吹かれているときが、いい。

たとえば。
ぶらり伸びる電線を見上げ、あの電線はどこに続いているのかしらん、
なんてことを
ぼんやり思い巡らす。
もちろんそれに答えなんて全く必要はなく、
ただぼんやり、思い巡らす、そのことが、いい。

電線がどこにつながっていようと、それは問題じゃぁなく。
どこかに繋がっているのだろう、どこかへ何かを伝えるのだろう、
そのことをあれやこれや思い巡らして、
ひとりこっそり、ほっくりする。
そんな時間が、私は好きだ。