2011年8月1日月曜日

幻霧景Ⅰ-08

写真を撮らせてもらうとき、必ず確かめることがある。
「裸足になってもらえますか?」ということ。
それがアスファルトだろうと土だろうと、裸足の足で歩いてほしい、それを撮りたい、というのが私の中に在る。

直に感じてほしいと思うのだ。
アスファルトならアスファルトの固さを、土なら土のぬくみを、肌で直に感じてほしいと思うのだ、せめて撮影の間くらい。
人はいつの間にか、何枚も何枚も衣を着こんで、肌で世界に自然に触れる部分がどんどん減って来ているように思う。
別に裸になればいいとは思わない。ただ。
世界の呼吸を、鼓動を、自然の呼吸を温度を、感じることは忘れてほしくない、と思う。
だからもちろん撮影している私も裸足だ。
カメラを持ちながらぬかるみでつるりんと滑りかけること多々あるが、それでも、彼女らと同じように裸足になり、走り回り、這い回り、そうやって、撮り続ける。