2011年5月23日月曜日

連なる柵

つくづく思う。人がどう手を入れようと、自然はそんなもの、これっぽっちも相手にしていないんじゃないかと。何を我の足元でちょろちょろしているのか、と、もしかしたら笑っているかもしれない。
こちらから奥の奥まで続く人によって作られた柵。でもそんなものに見向きもせず、風は唸り、砂は舞い上がり。一瞬たりとも風景は同じではいない。

ここに来るといつも思う。世界とはなんて大きさをもったものなんだろう、と。
そしてまた同時に思う。人間とはなんてちっぽけな存在なのだろう、と。

ちっぽけな人間である私が、一日一日躓いては転んで、倒れて、泣いて、喚いて。きっと世界から見たらそれは、ちゃんちゃらおかしな姿にしか映らないのかもしれない。
それでも。

私はちっぽけな人間で。同時に、この砂粒と一緒、唯一無二の存在で。
だから私は、私を必死に生きようと、努める。