2011年6月6日月曜日

波打つ砂紋

私は流木から立ち上がり、もう一度、砂丘を一周してみることにする。今度はカメラを手に持たず提げたまま、景色を見つめるのではなく眺めながら。

さっきまで見つめていたものたちを、今度は少し離れた場所から見る。紋様は見事なほどの波を描いており。草もたいして目立つわけでもなく、だからそこは、間違いなく砂丘の一隅であり。
ふと思った。人と同じ、だ。
離れていれば適度な距離をとって見ていれば、心地よい間柄を築ける相手であっても、近づきすぎたが故に傷つけ合い離れ離れにならずにはいられなくなる。

適度な距離。
世界にはそういう、物差しがあるのかもしれない。