2011年11月28日月曜日

洗濯物と空

以前住んでいた部屋には窓がたくさん在った。通りに沿って全面窓だった。だから私たちは日差しに全く困ることなく、毎日を過ごしていた。

それは贅沢なことだったと気づいたのは、その部屋から引っ越した後だった。
引っ越した次の部屋は一階で、私はそれまで一階に住んだことがなかったから、一階に住むということがどういうことなのかまるで知らなかった。

虫は同居人の如く次々沸いて出て、日差しは時間によっては全く入らなくなり。
吃驚した。
こんなにも違うのかと、今更ながら知った。

あの頃。
洗濯物はいつでも乾くもので。冬でも夏でもそれは同じ、いつだってお日様いっぱい浴びて夕方にはすっかり乾いているもので。
だから洗濯物が煩わしいなんて思うことはなかった。
今、午前中しか物干し竿の方の窓には日がささない。だから朝一番に洗濯機を回さないと洗濯物が乾かない。
そして何より。

空。
なんて小さいのだろう。ここから見上げる空は。
洗濯物の向こうに広がる空は、とても小さくて。狭くて。

切ない。