2011年7月21日木曜日

幻霧景Ⅰ-05

こちらはもう少しだけ若い桜の樹。真っ直ぐな幹がそれを物語っている。その樹を挟んで、それぞれの位置に座りこむ二人。
あとで知ったが、この時二人は何を話していたのか。それは、撮影が終わったら一緒にアイス食べようね、何のアイスがいい?と話していたという。後になってそれを知り、思わず噴き出してしまったことを覚えている。

一方私はといえば。地べたを這いずり回っていた。
どの角度から撮ったら二人が美しく見えるだろう。そんなことを思いながら、地べたを這いずり回っていた。撮影の際泥だらけになるのは私の場合いつものこと。

静かな朝、かかっていた靄はいつのまにか薄らぎ、鳥の囀りが遠く近く響いていた。