2014年7月8日火曜日

夏に手を伸ばす。


ある夏の日。
手を伸ばしたらもう、空が掴めそうなくらい近くて。
砂の地面に寝そべって、じっと手を伸ばして、手を握り締める代わりにシャッターを切った。

ある夏の日。
その壁はすでに焼け爛れていて。無残な様相を見せていた。
なのにそれをさらに傷つけるかのように日差しはざんざんと容赦なく壁を焼いて、
何処までも何処までもそれを、抉るのだった。

ある夏の日。

それは私の眼の中で、じゅっという音とともに
光景が焼け焦げた痕となって
刻み込まれた、日。