2013年9月23日月曜日

彼女の肖像vol.3~顔のない女 12






彼女が言う。
「ね、だからね、約束だよ。私は五年後も十年後も生きるから、だから、おばあちゃんになったら、ふたりで縁側で並んで、お茶飲むんだよ」

だから私も応える。
「はいはい。分かってるって。嫌でもそうなるよ。のんべんだらりーと、日がな一日、縁側で過ごすんでしょ、はいはい」

日がもうだいぶ高みに昇った。さぁ、今日はもう帰ろう。私たちは帰り支度を始める。強烈な日差しが彼女の体力を全て奪ってしまう前に、私たちは屋根の在る場所へと。

振り返れば、眩いほどの陽光。涙が滲みそうだ。