2013年9月7日土曜日

彼女の肖像vol.3~顔のない女 05


「目もね、だいぶ見えなくなってるの。もう片目は殆ど見えてない。体調が悪いときなんてほんと、何にも見えない」

私はそれにも、やはり頷く。そして黙って心の中、怒っている。怒る以外のどんな感情が生まれるというのか。心の中、ただ、私は黙して怒っていた。どうして彼女にばかりこんなことが襲い掛かるのか、と。カナシイとかツライとか、そんなもの、もうとうの昔に通り越していた。