2013年9月4日水曜日

彼女の肖像vol.3~顔のない女 04


「これでも一生懸命歩いてるんだけど。だめだよね、どんどん歩けなくなっていく」

彼女の言葉が今改めて思い出される。どんなに強気で「私は生きる」と繰り返す彼女でも、容赦なく次々襲い掛かる身体の異常を、受け容れないでは次にいけなかった。だから私はそんなときいつも、ふんふん、と頷いた。そして時折、「しっかり歩くんだよ、毎日」と発破をかけた。