2013年7月8日月曜日

花迷子-11


二十歳になり、二十歳になったことで「そんな子どもっぽいことを」とか「もう二十歳でしょ」とか、勝手な括り方をされてしまう。それが彼女にとっては自然に滲み出ただけの事柄であっても、他人は勝手に評する。
それに対して彼女は必死に抗っていた。足掻いていた。
それでいいんだと私は思う。どれほど抗ったって足りないだろうとも思う。そうやって、彼女が彼女自身納得のいく人間に辿り着けたなら。
それには、多分まだまだ時間がかかる。彼女はその道中できっとずいぶん傷だらけになるだろう。それでも。
足掻いて足掻いて、抗って抗って。
そうしてひとつひとつ、年を重ねて皺を刻んでいってほしい。そして最後の最後、私は私をちゃんと見つけた、育んだ、と、彼女が納得できますように。

私はそれを、願ってやまない。

(「花迷子」 終 )