2012年9月3日月曜日

彼女の肖像(6)

治療が進むほど、彼女は具合が悪くなった。薬の副作用によって、杖なしでは歩くことも叶わなくなり、歩く速度そのものもがくんと落ちた。椅子に座っていても、骨の軋音が聴こえてきそうなほど痩せ細り、腹水も溜まる一方だった。

身体の病だけじゃない。
心の病も容赦なく彼女に牙を剥いた。度重なるフラッシュバック、悪夢、不眠、眩暈、離人症状。
これでもか、これでもかと、彼女をいたぶった。

何度泣き喚いたことだろう。
何度泣き崩れたことだろう。
それでも。

彼女は「生きたい」と言った。
私生きたいの、生きていたいの!と。