2011年7月1日金曜日

祈々花々Ⅲ


日没とともに響いた産声の
向こう岸では今
三途の川を渡り始めた影が
ちらちら 揺れる

法で裁けぬ罪が
一体幾つ あるのだろう
法で裁けぬ罪ばかり
今日も巷に降り積もる

祈ろう ただ祈ろう
今できることは それのみ
祈ろう ただ祈ろう
静かに静かにそっと
誰の為にでもなく

この眼を潰したなら
見えるものがあっただろうか
この耳を潰したなら
聴こえる声があるだろうか
銃弾の代わりに 一輪の花を
百の言葉の代わりに 一輪の花を

誰かが潰した足痕が
今日は誰かの枕木になり
誰かの潰した喉元が
今日は誰かの声となり
それでもここに在ったよ と
誰が覚えていただろう
誰が覚えているだろう

だから祈ろう ただ祈ろう
今できることは ただそれのみ
静かに静かにそっと
誰のためにでもなく

だから祈ろう 今はただ祈ろう
静かに静かにそっと
誰のためにでもなく
傷つけ傷つき、それでも覚えているよ と
歌い続け、祈り続け、そして、

この夜を 明ける