2011年6月24日金曜日

祈々花々Ⅰ


彼女と知り合ったのは、もうかれこれ四年前になる。
その頃彼女はまだ、一被害者だった。そう、一性犯罪被害者、だった。まだまだ生のままの傷を抱え、かさぶたの下には膿を抱え、全身で悲鳴を上げていた。彼女の一歩一歩が、まさに血の悲鳴だった。

知り合って程なく、彼女をよく撮るようになった。被害の折に写真を撮られていた彼女は、シャッターの音に恐怖を覚える人だった。だから私は、極力シャッター音の小さいカメラを選んで撮った。

あの日、二人で花屋へ行った。花屋で、あれでもない、これでもない、と、花を選び、その束を抱きかかえて家まで帰った。
そうして窓の外、日が傾いてゆく中で、これらを撮った。