2010年7月24日土曜日

ゴミ捨て場

公園の端っこに、ゴミ捨て場を見つけた。
そこには何故か、自転車の車輪部分が、重ねて捨ててあった。一体誰がこんなところに捨てていったんだろう。私は首を傾げる。
捨てられた車輪は、錆ついており。でも降り注ぐ午後の陽光を受けて、それでもきらりと光を放っていた。

もうこのゴミ捨て場が作られて、どのくらいの時間が経つのだろう。
ブロック塀は苔むしており。ブロックで仕切られたその内側には、枯葉がこんもりと溜まっていた。

よく見ると、その枯葉の下から、緑色の何かが見えている。雑草だ。名前は知らない。春を感じて早々に芽を出した雑草。

すごいよね。
うん、すごいね。
雑草って逞しい。
踏まれても踏まれても、立ち上がるもんね。

ふと思った。
人は心の中で、誰かをゴミ箱にぽいっと捨てたりすることが、あるんじゃなかろうか、と。気持ちがすれ違うばかりになってしまった相手や、怒りに任せて、誰かという存在を、ぽいっと捨ててしまう、そういうことが、実際あるんじゃなかろうか。

ねぇ、ここに座れる?
ん? 全然平気。
じゃ、お願い。

シャッターを切りながら、胸がずきっとした。私もこうやって、誰かをゴミ箱にポイしてないだろうか。自分を守るためとかこつけて、誰かの存在をポイポイ捨てていやしないだろうか。

できるなら、そんな人間にはなりたくない。

見上げると、眩しいほどの青空がそこに広がっていた。