2010年7月5日月曜日

「夢の話」

嘘つきなの 私
これまで幾つ 嘘をついてきたか分からない程

そうやって生きてきたの
体中もう 嘘まみれ

嘘をついて嘘をついて
そうしているうちに
何が嘘だか 分からなくなっちゃった

今じゃもう
嘘が本当みたいになって
本当のことが嘘みたいになって
もうどっちでもいいや、みたいな

そんなところ

きっと誰かが見透かしてる
きっと誰もが気づいている
だから

私は嘘をつき続ける
これでもか
これでもかってくらい
今日もつき続ける

いつか嘘に塗れて
呼吸できなくなるのかしら
それともいつか嘘が嘘でなくなって
さらりと生きていけるのかしら

ほら
にっこり笑えば
言葉なんてそれっぽっちよ
だから鏡
だから刃
言葉なんて それっぽっちよ



いう
夢を見た

いう
だけの話

目を覚ました私は
顔を洗い、歯を磨き、髪を梳かし、
そのドアを開けて 今日も出掛けてゆく
そしてさっき見た嘘つきの夢なんて
あっという間に忘れてゆくのよ
自分がその
刃を振りかざして誰かを
殺していたとしても